電話代行を導入して外部からの電話対応の質を向上させようというときには電話代行の専門業者を比較検討する場合がほとんどです。しかし、必ずしも専門業者でなくても電話代行サービスを提供しているので比較候補に入れてみましょう。
典型的な例として知られているのが警備会社ですが、依頼先としてどのような特徴があるのでしょうか。
警備会社なら警備と電話代行を一括して依頼できる
電話代行を警備会社に依頼するメリットとしてまず挙げられるのが契約の一括化が可能なことです。オフィスや工場などのセキュリティを高めるためには警備会社と契約し、従業員がいない間も外部からの侵入などのリスクを防止するのは重要でしょう。
日中も外部の人が出入りするような店舗やオフィスビルなどでは常に警備員を置いてセキュリティ体制を整えていることもよくあります。この際には警備会社に依頼して契約するのが一般的で、あまり自社で警備員を雇っているケースは多くありません。
もし警備会社との契約があるなら、電話代行を導入しても一つの窓口で契約を取り交わせるので経理上も手続き上も簡便です。また、基本的には電話代行として一般的な業務には警備会社は対応してくれるのでその点でも心配はありません。
マニュアルを作成することでその通りに対応してもらえる仕組みになっているのが通例です。対応方法についてもオフィスなどに常駐してもらう人材を派遣してもらう方法と、警備会社が持っているコールセンターへの電話の転送で対応してもらう方法から選ぶことができます。
基盤となっている電話代行サービスはほとんど違わないと考えられるのです。ただし、会社によってサービス内容に違いがあるのは専門会社と同じなので注意しましょう。
アクシデントが発生したときにも対応可能
警備会社が優れているのはアクシデントへの対応力があることです。もともと警備会社は犯罪などの大きな発生するのを未然に防ぐ、あるいは発生したときに適切な連絡措置を取るのを専門としています。普段はないようなアクシデントが起こったときにも冷静に判断して対応してくれると期待できるのが警備会社の魅力なのです。
例えば脅迫電話がかかってきたときに、あまりにも剣幕が強いと普通の人ならパニックに陥ってしまってどう対応したら良いかわからなくなってしまうでしょう。専門の電話代行会社でもこのような事例を経験したことがないと、たとえマニュアルに対応方法が書かれていたとしても適切に応答できなくなりがちです。
しかし、警備会社であればいつどんなアクシデントが起こったとしても対応できるように教育を施しているので、脅迫電話がかかってきたときにも冷静に警察への連絡や、会社の担当者への連絡をしてくれます。毅然とした態度で電話に応じてくれることから、その時点で相手も脅迫を諦めてくれる可能性も十分にあるでしょう。
このようなアクシデント対策としての機能も電話代行に求めたいのであれば警備会社は依頼先の有力候補になります。
警備会社は対応時間が幅広い
警備会社に依頼するメリットとしてもう一つ挙げられるのが対応時間が幅広いことです。
電話代行の専門業者は会社によって電話代行に対応できる時間が異なり、長い場合には365日、24時間で対応してくれるのは確かです。ただ、多くの業者では一般的なオフィスの営業時間に合わせてあることが多く、9時から18時という場合もよくあります。
土日祝日にも対応している業者も増えていますが、やはり夜間や早朝には対応しないという傾向は根強いのが現状です。これに対して警備会社の場合にはもともと夜間や早朝、土日祝日などの従業員がいない時間帯にサービスを提供するのが基本になっています。
そのため、ほとんどの警備会社で24時間対応をしてもらうことができ、土日祝日も希望に応じて電話代行を依頼することが可能です。昼間だけ、夜間だけなどといった形で対応する時間帯を指定して契約する方法も選べるので、コストパフォーマンスの高いやり方にできるでしょう。
電話対応の質には注意が必要
警備会社に電話代行を依頼するのにはリスクもないわけではありません。その最たるものが電話対応の質の高さで、必ずしも専門の電話代行業者と同じ水準で対応できるとは限らないのです。もともと警備するための人材を集めていることが多く、コールセンターなどで働いていたスタッフがいないことや、社内教育としてもそれほど電話対応に力を入れていないこともあります。
どの程度のレベルで対応できる必要があるかは現場によって異なるので一概に言うことはできませんが、どんな対応の仕方をするのかを確認しておくことは必要でしょう。決してどの会社も質が低いというわけではないことから、比較して選ぶようにすれば適切な形で代行してもらえます。
常駐の場合に注意すべき点
警備会社に電話代行を依頼するときには常駐の警備員に対応してもらう選択肢を取ることもあります。警備員室やエントランス、駐車場などに常に待機して社内の監視をしてもらうのが一般的なやり方です。その担当者に電話代行も依頼するという形で契約できる警備会社もたくさんありますが、このやり方には注意すべき点があります。
基本的には警備員が詰め所にいるときにしか電話代行をしてもらえないと考える必要があるのです。巡回警備を依頼している場合には巡回中はその仕事に集中することになり、電話があっても応じられないという形になります。
携帯電話を持たせて巡回中でも電話に出られるようにすることも不可能ではありませんが、巡回している廊下などで通話内容が近くを通った人に聞こえてしまうリスクもあります。そのため、あまり警備会社としては依頼されても対応したくないやり方なのです。
常駐の場合には二人体制にするか、巡回の時間に合わせてコールセンターを使っているサービスを併用するかも検討してみる必要があります。あるいは巡回の時間が短くて済むのなら、その時間は電話対応を諦めるのも良い考え方でしょう。
警備会社も電話代行の依頼先として検討しよう
警備会社に電話代行を依頼するのはアクシデントに強くて24時間、365日の対応をしてもらえるのがメリットです。電話対応の質の高さや常駐の場合の巡回時の対応などのように考慮しなければならない点はありますが、専門業者と比較してみる価値は十分にあります。
契約先を一つにまとめられる魅力もあるので、電話代行を導入するときには一度は検討してみましょう。